こんなときどうする? 皆様の生活の中では様々なタイミングで「手続き」の必要な時がやってきます。
いったいどのようなときに、どのような手続きが必要となるのか。
いくつか例を挙げてご説明いたします。

◎クーリングオフをするとき

 セールスマンなどの訪問販売業者から訪問を受け、ついつい要らない(しかも高価な)物を買わされてしまった人は、8日以内にクーリングオフをすることによって、お金を取り戻すことができます。この手続きは通常、訪問販売業者に対して書面を通知して行いますが、その際には配達証明付きの内容証明郵便を利用するのが確実です。内容証明郵便とは、通知がどんな内容のものであったかを郵便局が証明してくれるものです。これに配達証明を付けることで、訪問販売業者が「そんな内容の書面は受け取っていない」とトボけるのを防ぐことができます。
※内容証明郵便はこのように便利なのですが、利用に際しては注意も必要です。文面に不備のある内容証明郵便をうかつに送ってしまうと、その内容は当然郵便局によって証明されるわけですから、逆に、相手側にその不備を利用されるおそれが出てきてしまいます。

◎離婚するとき

 離婚する際の役所への手続きは「離婚届」を提出するだけですので比較的簡単です。ただし、将来に問題を発生させないためには、離婚する当事者同士は十分に話し合った上で「離婚協議書」を作成しておくのが望ましいと言えます。離婚する時は感情的になっていておカネのことにはなかなか気が回らないものですが、正当な財産分与慰謝料をみすみす放棄してしまわないよう、必要な準備をしましょう。また、未成年の子供がいる場合は、子供の養育費面会(面接交渉)の問題なども、厳密に取り決めておく必要があるでしょう。

◎交通事故を起こしたとき

 交通事故、とりわけ人身事故が発生すると、被害者は加害者から治療費や慰謝料などの損害賠償を受けることになります。自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)は、強制加入の保険ですので、全ての加害者が加入しています(盗難車による事故など特殊な例外を除く)。つまり、被害者は最低でもこの自賠責保険の保険金を受け取ることができるわけです。ただし、被害者の方は自賠責保険の支払基準が良く分からない場合もあるでしょうから、保険会社との交渉には注意が必要となります。例えば、被害者であっても、過失があればその割合に応じて損害賠償の額が減殺される可能性もあるなど、賠償金額の査定は複雑です。十全な損害賠償をしてもらうためには、法律の専門家に相談して予備知識を備えておくのが安全であると言えるでしょう。

◎遺言を作成するとき

 相続が発生すると、残された者の間で自分の取り分を少しでも多くしようと相続争いが生じてしまうこともあります。トラブルを未然に防止するためには、遺言を作成し、自分の意思を明確に表示しておくことが肝要です。遺言には三種類の形式があり(自筆証書遺言公正証書遺言秘密証書遺言)、その形式を正確に履行しないと、遺言が無効になってしまうこともあります。また、自らの意思を実現するためには、内容に不備の無い遺言を作成する必要もあります。

◎遺産を分割するとき

 被相続人が遺言を残さずに亡くなった場合、遺産を分割するケースもあるでしょう。法定相続人の取り分は、原則的には割合が決まっていますが、相続人全員で協議・合意すれば、自由に遺産を分割することも認められています。ただし、この協議の前段階として、誰が法定相続人であるかの確認作業や、被相続人の財産の調査など、様々な手続きが必要になります。また、協議の合意内容は、遺産分割協議書という形の書面で正確に残しておかないと、後で「そんな協議をした覚えは無い」と誰かが言い出した場合に、対抗することができなくなります。


以上の手続きは、特別な事柄ではなく、皆さんの家庭で明日にも起こりうるものです。しかし、上に述べたように、その過程には、皆さんの意思が十全に反映されない不本意な結果を引き起こしかねない落とし穴があることも事実です。そこで、このような問題が発生した場合は、法律知識を有する専門家に相談し、思わぬ不利益を受けないようにするのが安全であると言えるでしょう。